委任状および選任書における署名の公証人による認証に関する審査ガイドライン

はじめに 2026年6月17日、タイ知的財産局(DIP)商標部は、公証人により署名認証を受けた委任状または選任書が提出される商標登録出願に関し、その審査方法に関するガイドラインを発出しました。 本ガイドラインは、商標登録手続において、公証人による認証を受けた委任状および選任書をどのように審査するかを明確にするものです。特に、公証人による署名認証の有効期間および公証人の地位に関する取扱いを明らかにすることで、出願人にとっての運用の一貫性および法的安定性の向上を図るものです。 主な内容 委任状または選任書の公証人による署名認証において、有効期間が明示されている場合(例:「[日付]から[日付]まで有効」または「認証日から[年数]年間有効」など)であって、当該有効期間が出願日前に満了しているときは、その書面は、出願日時点において有効な公証人による認証を備えていないものとみなされます。 この場合、登録官は、出願人に対し、以下のいずれかを提出して不備を補正するよう指示します。 公証人の印章または認証文に、公証人の地位またはライセンスの有効期限に関する記載がある場合、その記載は、公証人の専門職としての地位および公的資格に基づき行為する権限のみに関するものと解釈され、公証人による認証を受けた署名自体の有効期間を示すものとは解されません。 したがって、公証時点において公証人が適法に権限を有し、かつ有効な職務上の地位にあった場合には、その後、公証人の地位またはライセンスが、署名日後かつ出願日前に失効したとしても、当該認証は引き続き有効とされます。このような場合、委任状または選任書は、有効かつ効力を有するものとして取り扱われます。 結論 出願人および実務担当者にとって重要なのは、手続の遅延または出願手続上の不利益を回避するため、適時に、かつ適切に認証された書類を準備することです。これらのルールに従い、認証要件を慎重に遵守することで、商標出願をより確実に進めることができます。 ILAWASIAによるサポート ILAWASIAは、商標実務において、当局の本ガイドラインへの対応について出願人を支援してまいります。当事務所のチームは、委任状または選任書の適合性を確認・検証し、認証の有効性および補正措置に関する助言を行い、適時の認証取得に向けて関係機関と直接調整します。また、クロスボーダー案件に関する知見を活かし、ASEAN各地域における商標実務の調和を支援します。このような包括的なサポートにより、タイおよび地域全体における商標登録を、効率的かつ適法に、リスクを抑えて進めることが可能となります。

DBD Biz Regist システム、タイにおける会社設立登記の唯一のプラットフォームへ

はじめに 2026年6月12日、タイ商務省事業開発局(DBD)は、2026年7月1日より、すべての非公開会社の設立登記について、DBD Biz Registシステムを通じたオンライン申請のみが認められることを発表しました。 DBD Biz Registシステムは登記申請の唯一のプラットフォームとなり、従来の紙媒体による窓口申請サービスは利用できなくなります。 主なポイント A. 書類への署名および処理期間 今回のデジタル化は手続の効率化を目的とするものですが、一部の書類については、引き続き発起人または取締役の署名が必要となります。これらの署名は、紙面への自署、またはDBD e-ServiceもしくはThaIDアプリケーションを通じた電子署名により行うことができます。もっとも、署名者がタイ国籍者でない場合、手続に時間を要する可能性があり、同日中の完了は難しくなる場合があります。そのため、事前準備が不可欠です。 B. 例外 この移行期間中、取締役の変更、事務所所在地の変更または増資などの会社変更登記については、引き続き紙媒体で申請することができます。ただし、1日あたりに受理される申請件数には制限があります。 結論 今回の措置は、タイにおけるデジタル行政推進の一環を示すものです。会社設立登記をオンライン申請に限定することにより、DBDは、手続の効率化を図り、手作業による処理への依存を軽減することを目指しています。一方で、企業は新制度に速やかに適応し、署名要件や外国人関係者が関与する場合に生じ得る遅延など、実務上の留意点を踏まえながら、コンプライアンス対応を行う必要があります。 ILAWASIAは、会社設立書類の作成、電子署名の調整、改定後のDBD Biz Registシステムへの対応確認など、新たな要件への対応を支援いたします。当事務所は、特に外国人署名者が関与する場合においても、手続を円滑化し遅延を最小限に抑えるため、適時の助言と実務的なサポートを提供いたします。

ILAWASIA、IP STARS Rankings 2026において選出

タイ・バンコク– 2026年6月4日 – ILAWASIAは、このたび、Managing IPが発行する、世界有数の知的財産法律事務所および専門家を取り上げる権威あるガイド「IP STARS 2026」において、選出されたことをお知らせします。 本年度、ILAWASIAはタイにおける商標部門でNotable Firm (Tier 4)にランクアップし、同地域における他の16の有力な法律事務所とともに選出されました。今回、2年連続でIP STARSに選出されたことは、知的財産分野における当事務所の評価の高まりと経済的な実績を示すものです。 IP STARSは、26年以上にわたり、知的財産分野における優れた法律事務所および専門家を評価する指標として機能しており、Managing IPが実施する厳格な調査および分析に基づき、世界各国の高い実績を有する専門家および法律事務所を選定しています。 今回の評価は、ILAWASIAが信頼性の高いリーガルサービスを継続して提供し、知的財産分野におけるプレゼンスを強化するとともに、ますます複雑化するグローバルな事業環境において、クライアントを支援してきた継続的な取組みを反映するものです。 出典: https://ipstars.com/Jurisdiction/thailand/Rankings/8540#rankings

ニュースレター カンボジア、主要品目に対する関税および輸出税を改訂

はじめに  2026年3月26日、カンボジア王国政府は、複数の品目に対する関税および輸出税率を改定するサブ・ディクリー第52号を公布しました。本規制は、持続可能な技術の導入を促進するとともに、特定の工業製品および消費財に係るコストを軽減することを目的としています。 本サブ・ディクリーの主な内容は以下のとおりです。 主な内容 A. 関税の撤廃  本サブ・ディクリーは、グリーンエネルギーおよび電動輸送関連製品の輸入コストを大幅に引き下げています。税率0%の対象となるのは以下のとおりです。 B. PHEVに対する部分的な税率引下げ  特定の家庭用PHEV(92の関税分類品目)については、関税率が35%から7%へ引き下げられました。これは、完全なEV免税の対象とはならないPHEV車に対して、大幅な負担軽減措置を提供するものです。 C. 鉱物に対する輸出税率の改定  政府は、ボーキサイトに対する輸出税率を引き下げました。 D. 規制遵守および施行日  サブ・ディクリー第52号は、その規定に抵触する従前の規則に優先して適用され、2026年4月1日より、関係するすべての省庁および関係者に対して施行されています。 結論  サブ・ディクリー第52号は、電気自動車および再生可能エネルギー関連部品をより手頃な価格とすることで、より環境負荷の低い経済への移行を加速させるという、カンボジア政府の戦略的方針を示すものです。自動車、電子機器および鉱業分野に関与する企業にとって、今回の改定は大きなコスト削減機会となります。他方で、適切な分類を確保するためには、2022年カンボジア関税率表(関税分類)を慎重に確認することが引き続き重要です。 ILAW Cambodia Law Officeは、改定後の関税分類および2026年の新たな規制枠組みへの対応について、クライアントを支援する体制を整えています。

ラオス、医薬品申請に関するオンライン登録制度を導入

ラオスにおける医薬品基準の向上: はじめに  急速な技術革新および医療の発展が進む中、ラオス人民民主共和国政府は、保健省食品医薬品局を通じて、医薬品の規制を最重要事項の一つとして位置付けています。国民が安全かつ高品質な医薬品へアクセスできるよう、国内流通または輸出を目的とするすべての医薬品は、安全性、有効性および品質の3つの要素について、ASEAN基準および国際基準に適合していることを確認するため、公的登録手続を経る必要があります。  保健省食品医薬品局は、手続の効率化および迅速化を目的として、医薬品および医療機器の登録に関するオンラインシステム「LAOREG」を全面的に導入しました。本システムにより、認可を受けた個人または法人は、24時間いつでもオンラインで申請および関連書類を提出することが可能となります。これにより、移動や紙媒体による手続が削減されるとともに、当局は製造業者情報や科学的試験結果について透明性をもって審査することが可能となります。 主な内容 A. 医薬品分類および規制措置  医薬品登録においては、適切な規制および流通管理を確保するため、明確な分類が行われます。 B. 医薬品専門職従事者に関する要件 人道支援または公衆衛生上の緊急事態においては、保健省の調整の下、外国のボランティアチームが迅速に活動できるよう、一部手続が免除される場合があります。 C. オンライン登録への移行  2024年実施計画の一環として、すべての事業者は、LAOREGを通じて申請を行う必要があります。習熟度向上および手続遅延防止のため、研修も実施されています。この移行により、利便性、効率性およびASEAN域内での制度調和が向上します。 D. 基準の強化  医薬品登録に関する決定第0622/MOH号に基づき、化学医薬品およびワクチンを含む生物学的製剤を含むすべての医薬品は、ラオス国内で流通する前に、詳細な品質検査および科学的試験を受けなければなりません。 医薬品は、以下の4つの主要カテゴリーに分類されます。 E. 医薬品事業設立および登録手続全般 医薬品事業の設立には、以下の確認手続を含む厳格な要件への適合が必要です。 登録申請には、ACTDまたはICH-CTDなどの国際基準に適合した書類が必要となります。また、製品画像を含むラオス語表示および関連資料を整備しなければなりません。 F. ラオスにおける医薬品事業の流れ  医薬品事業には、以下の手続が含まれます。  2017年刑法に基づき、安全性を欠く医薬品または偽造医薬品の製造・流通に対しては、罰金および禁錮刑を含む厳格な罰則が科されます。 G. 安全基準の強化  医薬品事業者は、厳格なライセンス要件および監督措置を遵守しなければなりません。 結論  保健省食品医薬品局は、LAOREGオンラインシステムを導入することにより、国際基準に適合した医薬品規制体制の近代化を進めています。事業者は、定められた手続を厳格に遵守しなければならず、偽造医薬品や危険医薬品を含む違反行為については、重大な刑事罰の対象となります。 ILAW LAOSについて  ILAW LAOSは、食品医薬品局の新たな規制に適合しつつ、企業設立、薬剤専門職ライセンス取得およびLAOREGシステムを通じた医薬品登録を支援する、信頼できるリーガルアドバイザーおよびビジネスパートナーです。  当事務所は、国際基準に準拠した書類作成支援を提供するとともに、法的責任および刑事責任リスクへの予防策の検討も支援し、クライアントの事業がラオス人民民主共和国において安全かつ効率的、そして適法に運営されるようサポートいたします。 参考法令

MIC制度下における認められる通貨の拡大および税制優遇要件の改正

はじめに  2026年3月16日、ミャンマー投資委員会(MIC)はNewsletter Bulletin No.1/2026を発行し、重要な政策変更を公表しました。同Bulletinによれば、MICは外国投資資本の払込みに関し、従来の米ドルに加え、中国人民元の使用を認めることとしました。本措置は、ProposalまたはEndorsement申請における投資手続の円滑化を目的とするものです。なお、いずれの通貨による送金についても、Authorized Dealer Licensed Bank(認可外国為替取扱銀行)を通じて実施する必要があります。 主な改正内容  加えて、同日、MICは、ミャンマー投資法第100条(b)に基づきNotification No.1/2026を発行しました。本Notificationでは優遇対象投資分野において税制上の免税措置または優遇措置を受けるための最低基準が定められています。 A. 税制優遇措置の適用要件  今回の外貨取扱枠組みの拡大により、投資実務上の利便性は向上する一方で、MICは税制優遇措置の適用に関するコンプライアンス要件を強化しています。投資家としては、承認手続の遅延や優遇措置の適用対象外となるリスクを回避するため、資金調達スキームおよび関連証憑書類を事前に十分確認・整備しておくことが重要です。 B. ミャンマーへの資本持込み手続  ミャンマーへ資本を送金する場合、まず会社設立手続を完了し、Authorized Dealer Bank(AD Bank)において法人口座を開設する必要があります。その後、株主は会社口座宛てに資本金を送金し、送金名目には「Investment Capital」と明記する必要があります。  オフショアローンによる資本導入については、事前にミャンマー中央銀行の承認を取得しなければなりません。MIC承認企業についてはMICを通じて手続を行う必要があり、MIC未承認企業については、投資企業管理局(Directorate of Investment and Company Administration:DICA)の要件を遵守する必要があります。承認取得後、借入金はAD Bankを通じてミャンマー国内へ送金されます。  会社は、資本持込みの証憑として、海外送金受領証(Inward Remittance Advice)を保管する必要があります。また、元本および利息の返済は、中央銀行が承認した返済スケジュールに従って行わなければなりません。さらに、銀行取引明細書(Bank Statement)は、MyCo上での会社設立後2か月以内に提出する年次届出書(Annual Return)に添付して提出しなければなりません。 おわりに  今回のMICによる二つの措置「認められる外貨の拡大と税制優遇要件の厳格化」は、外国投資を促進しつつ、規制遵守を確保するためのバランスの取れた政策対応といえます。中国人民元による出資を認めたことで、ミャンマーはより幅広い投資家の参入を後押しする姿勢を示しています。一方で、税制優遇措置に関する要件強化により、十分な準備と財務基盤を有する投資家が優遇措置の適用対象となり得る制度設計となっています。 ILAW Myanmarのサポート内容 ILAW Myanmarでは、投資家の皆様が本改正に適切に対応できるよう、以下のリーガルサービスを提供しております。 当事務所は、クロスボーダー案件に関する豊富な実務経験を活かし、改正後のMIC制度の下で、クライアントの皆様が新たな投資機会を適切に活用しつつ、法的リスクを最小限に抑えられるよう支援いたします。です。

ILAWASIAのパートナーおよび弁護士がAsiaIP Experts Directoryに選出

今般、当事務所のパートナーおよび弁護士が、AsiaIP Magazine(Volume 17, Issue 10)に掲載されたAsiaIP Experts Directoryに選出されました。今回の選出は、カンボジア、ラオスおよびミャンマーにおける当事務所の知的財産分野の専門性の高さが評価されたものです。 選出されたパートナー・弁護士 2023年から連続して選出 2022年から連続して選出 2022年から連続して選出 今回の評価は、CLMV地域における当事務所のパートナーおよび弁護士が有する知的財産分野の深い専門性とクロスボーダー案件における豊富な経験を示すものであり、ILAWASIAが知的財産に関する取引案件および規制対応における信頼できるリーガルアドバイザーであることを改めて裏付けるものです。 直近の事務所ランキング 当事務所の知的財産分野における取組みは、以下の事務所ランキングにも反映されています。 これらの評価は、当事務所が東南アジアにおいて、高品質なリーガルサービスを継続的に提供し、知的財産および企業法務分野における評価と信頼を着実に築いていることを示すものです。

プレスリリース ILAWASIA、Benchmark Litigation 2026でRecommended Firmに選出

ILAWASIAはこのたび、Benchmark Litigation 2026において、前年に引き続きRecommended Firmに選出されました。この評価は、紛争解決および訴訟分野における当事務所の継続的な取組みを示すものであり、多様な業界および国・地域にわたるクライアントの皆様からの信頼を反映するものです。 また、当事務所の弁護士が以下の評価を受けました。 •Somphob Rodboon(Managing Partner)は、3期連続で「Litigation Star」に選出されました。これは、複雑かつ重要性の高い紛争案件を取り扱ってきた実績、深い専門性、リーダーシップが高く評価されたものです。 •Kridtaporn Sirisereephap(Senior Associate)は、2期連続で「Future Star 2026」に選出されました。これは、高い将来性、革新的なアプローチおよびクライアントに優れた成果を提供する姿勢が評価されたものです。 これらの受賞は、ILAWASIAの紛争解決チームの強みと、地域を横断する案件において、戦略的かつクライアント志向のリーガルサービスを提供する当事務所の体制を改めて示すものです。クロスボーダー紛争から各業界特有の課題に至るまで、当事務所の弁護士は、専門性と実務的知見を活かし、クライアントの利益保護と最適な解決の実現に努めています。 ILAWASIAは、今後も専門性の向上、リーガルサービスにおける革新の推進、および法曹界への貢献に取り組んでまいります。Benchmark Litigationからの継続的な評価に感謝するとともに、今後も更なる発展を目指してまいります。 ILAWASIAについて ILAWASIAは、バンコクに本拠を置き、CLMV諸国およびシンガポールに拠点を有する法律事務所です。訴訟・紛争解決、企業法務、知的財産、労務、規制対応およびクロスボーダー取引を含む幅広い分野において、包括的なリーガルサービスを提供しています。主要なリーガルプラットフォームから高い評価を受ける当事務所は、クライアントのニーズに応じた、信頼性の高いリーガルサービスの提供に尽力しています。

付加価値税 (VAT): 登録制度・税率・コンプライアンス (タイ)

タイにおける付加価値税(VAT)は、主として歳入法典により規律されており、これに加えて、勅令、省令および歳入局長告示が適用されます。VATは、物品および役務の提供、ならびにタイへの物品の輸入に対して課される消費税であり、事業者は国家に代わってこれを徴収する義務を負います。 VAT 登録  歳入法典第85/1条に基づき、事業者がタイ国内において物品の販売または役務の提供を行い、その年間売上高が180万バーツを超える場合には、VAT登録を行わなければなりません。VAT登録は、当該売上高基準を超えた日から30日以内に完了しなければなりません。登録義務があるにもかかわらず登録を行わない場合、歳入法典第90/2条により、1か月以下の拘禁刑、5,000バーツ以下の罰金、またはその併科の対象となります。  重要なのは、登録を怠ったとしても納税義務が消滅するわけではないという点です。VAT登録を行わなかった者も、適法に登録していた場合と同様に、なおVAT額について納税義務を負います。未納VATに加えて、納税者は歳入法典第89条および第89/1条に基づく割増金および延滞加算税の対象となります。納付すべき税額の最大2倍の割増金が課される可能性があり、また、未納税額に対しては月1.5%の延滞加算税が課されます。この場合、1か月未満の端数も1か月として計算されます。  さらに、タイ国内で使用または消費される役務を提供する非居住者事業者についても、取引のストラクチャーによっては、歳入法典第77/2条および第83/6条に基づきVAT上の義務が生じる場合があります。外国の役務提供者がタイでVAT登録を行っていない場合には、一般にリバースチャージ方式によりVATが徴収され、タイの役務受領者が自らVAT額を算定し、申告・納付しなければなりません。判断基準となるのは、役務提供者の所在地ではなく、当該役務が使用または消費される場所です。 VAT税率 歳入法典第80条に基づく法定VAT税率は10%ですが、現在の実効税率は、歳入法典に基づいて発出された勅令第799号により7%に引き下げられています(現行の勅令の有効期限は2026年9月30日まで)。この引下げ措置は、通常、政府の判断により毎年更新されています。 一定の取引については、歳入法典第80/1条に基づきゼロ税率が適用されます。これは、VATが0%で課される一方で、仕入VAT(仕入税額)の控除が引き続き認められることを意味します。通常、これには、物品の輸出および歳入局長VAT告示第105号により定められる適格な国際サービスが含まれます。 他方、農産物の販売、教育サービスおよび医療サービスなどの一定の取引は、歳入法典第81条に基づきVAT免税とされています。これらの場合、VATは課されず、また、法令に別段の定めがある場合を除き、仕入VATは原則として控除できません。 また、一定の取引については、VATではなく特定事業税(SBT)の対象となります。これは、タイ法が、主として金融業その他これに類する一定の事業活動について、SBTをVATに代わる税として位置付けているためです。歳入法典第77/3条に基づき、取引が同法に定めるSBTの対象区分に該当する場合、その取引は法令上VATの適用対象から除外され、VATではなくSBTのみが課されます。 VATコンプライアンスおよび申告 第83/2条に基づくVAT登録事業者および第83/3条に基づくその代理人は、第83条に従い、適式な税額票を発行し、VAT記録を作成・保存し、かつ翌月15日以内に月次VAT申告書(PP.30)を提出しなければなりません。納付すべきVATがある場合には、申告時にこれを納付しなければなりません。 第82/3条に基づき、仕入VATは、税額票が法定要件を満たしており、かつ関連する費用がVAT課税対象活動のために発生したものである場合には、売上VATから控除することができます。仕入VATが売上VATを上回る場合、その超過額は、第84条に従い、歳入局の手続および税務調査を条件として、翌期へ繰り越し、または還付を受けることができます。 歳入法典第90条から第90/5条は、VAT義務違反に対する罰則の枠組みを定めており、軽微な行政上の不備から、故意の脱税を伴う重大な刑事犯罪までを対象としています。罰則の重さは、違反行為の性質、法令違反の程度、および故意の有無に応じて段階的に加重されます。 第90条は、VAT申告書の不提出、VAT登録事項の変更届出の不履行、税額票の不適切な発行または保存、法定帳簿の不備といった、軽微な行政上または手続上の違反を対象としています。これらの違反には、2,000バーツ以下の罰金が科され、一般に、比較的リスクの低いコンプライアンス違反として扱われます。 第90/1条は、VAT登録管理、登録証明書の掲示、事業譲渡または廃業の通知に関する違反を含む、より重大な行政違反を対象としています。これらの違反には、5,000バーツ以下の罰金が科され、規制上の重要性がより高いものとして位置付けられていますが、身体拘束刑は伴いません。第90/2条は、VAT登録を要するにもかかわらず登録を行わずに事業を営むこと、税額票の不発行、レジスター規制への不遵守、および課税官の命令の不履行など、基本的なVAT義務違反について刑事責任を導入しています。これらの違反には、1か月以下の拘禁刑、5,000バーツ以下の罰金、またはその併科が科され、行政執行から刑事執行への移行点を示すものとなっています。 第90/3条は、海外代理人による無権限の税額票発行、未承認のレジスター機器の使用、義務的なVAT帳簿の不作成、および税務職員の職務執行妨害など、加重された手続違反および執行妨害に関する違反に適用されます。制裁は、6か月以下の拘禁刑、10,000バーツ以下の罰金、またはその併科へと引き上げられます。 第90/4条は、税額票の不正発行または不正使用、虚偽申告、税額票の不発行、および欺罔的なVAT還付請求など、脱税の意図を伴う重大なVAT違反に適用されます。これらの違反には、3か月以上7年以下の拘禁刑および2,000バーツ以上200,000バーツ以下の罰金という重大な刑事罰が科され、租税詐欺の刑事的性質を反映しています。 第90/5条は、法人によるVAT違反が、取締役、マネージャーまたは責任ある役員の命令、行為、または不作為によって生じた場合に、これらの者にも責任を及ぼすものです。当該個人には、基礎となる違反行為について定められたものと同一の罰則が科され、法人税務コンプライアンスにおける個人責任が強調されています。 実務上の留意点 タイにおけるVATコンプライアンスは、歳入法典の下で、適式な書類の整備と税務調査への対応が重視されています。歳入局は、税額票が適正に発行されているか、取引が単なる書面上のものではなく実体を伴うものか、また、VAT申告が法人所得税申告と整合しているかを確認します。書類が不備であったり、内容に不整合があったり、または実際の事業活動を反映していない場合には、事業者は、税額の更正、罰則の適用、さらに追加調査の対象となる可能性があります。 クロスボーダー取引、グループ会社間取引、または専門性の高い業種に関与する企業は、VAT上のリスクがより高いため、税務調査や紛争のリスクを軽減するためにも、VATが適切に課税され、申告され、かつ適切な内部統制によって裏付けられていることを確保する必要があります。 結論 タイにおいてVATを適切に管理するためには、歳入法典に定める法定要件を厳格に遵守することが求められます。登録および月次申告という基本的義務に加え、事業者は、重大な行政罰および刑事罰のリスクを軽減するため、税額票の正確性と包括的なVAT記録の維持を重視しなければなりません。歳入局が書類に基づく税務調査を重視していること、および取締役に個人責任が及ぶことを踏まえると、法令遵守の徹底と長期的な事業の安定性を確保するため、強固な内部統制体制を構築することが不可欠です。 ILAWASIAは、VATに関する助言と実務的なガイダンスを提供する信頼できるパートナーとして、事業の各段階において皆様を支援します。当事務所は、税務コンプライアンスおよび規制要件への対応力の向上を後押しし、事業基盤の強化に貢献できるよう引き続き尽力してまいります。

仏暦2541年タイ労働者保護法の理解:

はじめに  タイの労働規制の枠組みは、主として仏暦2541年労働者保護法(以下「労働者保護法」といいます。)によって定められています。同法は、雇用条件、賃金、労働時間、従業員の福利厚生および解雇時の保護に関する最低基準を規定しています。労働者保護法は、雇用主の事業運営上の必要性との均衡を図りつつ、従業員の公正な取扱いを確保することを目的としています。  タイで事業を行う企業にとって、国内企業であるか外資企業であるかを問わず、労働者保護法を理解することは不可欠です。法定の雇用基準を遵守しない場合、行政上の制裁、民事上の責任、およびレピュテーションリスクが生じる可能性があります。さらに、不適切な解雇、未払賃金、または労働時間規制違反に起因する紛争は、労働裁判所における訴訟に発展することが少なくありません。  本稿では、労働条件、賃金支払要件、福利厚生、解雇に関するルール、および法令違反に対する罰則を含む、雇用主に関連する労働者保護法の主要規定について概説します。 1. 労働者保護法の適用範囲  労働者保護法は、タイにおける雇用関係にある雇用主および従業員に広く適用されます。労働者保護法第5条では、以下のように定義されています。  労働者保護法は、原則として、雇用主または従業員の所有地を問わず、タイにおける雇用関係に広く適用されます。ただし、公務員、国営企業の従業員および一部の農業労働など、別個の法令または規則により規律される分野もあります。  雇用契約に異なる定めがある場合であっても、雇用主は労働者保護法に基づく法定最低基準を遵守しなければなりません。同法が求める基準よりも不利な条件を定める契約条項は無効とされ、同法の規定が当然に適用されます。  この原則は、交渉力の差にかかわらず、従業員に最低限の保護が保障されることを目的とするタイ労働法の保護的性格を反映するものです。 2. 労働時間および時間外労働に関する規制  タイ法に基づく労働者保護の中心的な要素の一つは、労働時間および時間外労働に対する割増賃金に関する規制です。 労働時間  労働者保護法第23条に基づき、従業員の労働時間は雇用主が定めて周知しなければならず、1日8時間、週48時間を超えてはなりません。  健康または安全に有害とされる業務については、法令上、より厳格な上限が設けられています。同条によれば、有害業務に従事する従業員の労働時間は、1日7時間、週42時間を超えてはなりません。  雇用主は、労働者保護法に従って時間外労働を行わせる場合を除き、従業員にこれらの上限を超えて労働させないようにしなければなりません。 休憩時間  第27条に基づき、従業員は、5時間連続して労働した後、少なくとも1時間の休憩時間を与えられなければなりません。もっとも、雇用主と従業員が合意する場合には、1回あたりの休憩時間をこれより短くすることは可能ですが、1日当たりの休憩時間の合計は1時間を下回ってはなりません。 週休日  第28条に基づき、従業員には少なくとも7日に1回、週休日を少なくとも1日付与しなければなりません。  法定の休憩時間を付与しない場合、雇用主は行政上の制裁や補償請求を受ける可能性があります。 3. 時間外労働および休日労働  労働者保護法は、従業員を過度な労働時間から保護するため、時間外労働を厳格に規制しています。 同意要件  第24条に基づき、雇用主は、従業員の事前の同意なく時間外労働を命じることはできません。ただし、雇用主の事業に損害が生じるのを防ぐために緊急かつ必要な場合は、この限りではありません。  この要件は、時間外労働が、ほとんどの場合において任意でなければならないという原則を反映するものです。 時間外労働手当  第61条に基づき、通常労働日における時間外労働については、通常の時間給の少なくとも1.5倍の率で支払わなければなりません。 休日労働手当  従業員が休日に労働した場合、雇用主は、第62条に基づき、追加の手当を支払う必要があります。休日にも賃金が支払われる従業員については、通常賃金の少なくとも1倍、休日に賃金が支払われない従業員については、通常賃金の少なくとも2倍を支払う必要があります。  さらに、従業員が休日に時間外労働を行った場合には、支払率は通常の時間給の3倍に引き上げられます。  未払時間外労働手当に関する紛争は労働訴訟でよく争われるため、雇用主は、時間外労働および休日労働に対する支払を正確に計算できる給与計算体制を整備する必要があります。 4. 賃金支払に関する要件  労働者保護法は、従業員にとっての賃金保障の重要性を踏まえ、賃金の支払に関して厳格なルールを定めています。 賃金の定義  第5条に基づき、賃金には、雇用主が従業員に対して、その労務の対価として支払うすべての金銭が含まれます。 支払時期  第70条に基づき、一定の業務について別段の合意がある場合を除き、賃金は少なくとも月1回支払わなければなりません。 支払方法  第54条および第55条に基づき、賃金は原則としてタイ通貨で、従業員本人に直接支払わなければなりません。もっとも、従業員が同意する場合には、銀行振込による支払も可能です。 雇用主は、法令により認められる場合を除き、賃金から無断で控除を行うことはできません。 認められる賃金控除 第76条に基づき、賃金控除が認められるのは、以下の場合に限られます。 なお、法令上の根拠なく賃金を控除した場合、労働裁判所における請求につながることが多い点に留意が必要です。 5. 従業員の休暇に関する権利  タイ労働法は、雇用主に対し、法定の複数の種類の休暇を付与することを求めています。 年次休暇  第30条に基づき、1年間継続して勤務した従業員は、年間少なくとも6労働日の年次休暇を取得する権利を有します。  雇用主は、法定の最低基準を超えて、福利厚生として追加の休暇を付与することもできます。 病気休暇  第32条によれば、従業員は、必要に応じて病気休暇を取得する権利を有し、そのうち年間30日までは有給としなければなりません。 […]