はじめに
2026年6月17日、タイ知的財産局(DIP)商標部は、公証人により署名認証を受けた委任状または選任書が提出される商標登録出願に関し、その審査方法に関するガイドラインを発出しました。
本ガイドラインは、商標登録手続において、公証人による認証を受けた委任状および選任書をどのように審査するかを明確にするものです。特に、公証人による署名認証の有効期間および公証人の地位に関する取扱いを明らかにすることで、出願人にとっての運用の一貫性および法的安定性の向上を図るものです。
主な内容
- 公証人による署名認証の有効期間が書面上明示されている場合
委任状または選任書の公証人による署名認証において、有効期間が明示されている場合(例:「[日付]から[日付]まで有効」または「認証日から[年数]年間有効」など)であって、当該有効期間が出願日前に満了しているときは、その書面は、出願日時点において有効な公証人による認証を備えていないものとみなされます。
この場合、登録官は、出願人に対し、以下のいずれかを提出して不備を補正するよう指示します。
- すでに署名済みの委任状に改めて公証人による認証を受けたもの
- 公証人による認証を受けた新たな委任状
- 公証人の印章または認証文に、公証人の地位またはライセンスの有効期限が記載されている場合
公証人の印章または認証文に、公証人の地位またはライセンスの有効期限に関する記載がある場合、その記載は、公証人の専門職としての地位および公的資格に基づき行為する権限のみに関するものと解釈され、公証人による認証を受けた署名自体の有効期間を示すものとは解されません。
したがって、公証時点において公証人が適法に権限を有し、かつ有効な職務上の地位にあった場合には、その後、公証人の地位またはライセンスが、署名日後かつ出願日前に失効したとしても、当該認証は引き続き有効とされます。このような場合、委任状または選任書は、有効かつ効力を有するものとして取り扱われます。
結論
出願人および実務担当者にとって重要なのは、手続の遅延または出願手続上の不利益を回避するため、適時に、かつ適切に認証された書類を準備することです。これらのルールに従い、認証要件を慎重に遵守することで、商標出願をより確実に進めることができます。
ILAWASIAによるサポート
ILAWASIAは、商標実務において、当局の本ガイドラインへの対応について出願人を支援してまいります。当事務所のチームは、委任状または選任書の適合性を確認・検証し、認証の有効性および補正措置に関する助言を行い、適時の認証取得に向けて関係機関と直接調整します。また、クロスボーダー案件に関する知見を活かし、ASEAN各地域における商標実務の調和を支援します。このような包括的なサポートにより、タイおよび地域全体における商標登録を、効率的かつ適法に、リスクを抑えて進めることが可能となります。