税関登録制度を通じた創造性の保護(ミャンマー)

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ミャンマー財務・歳入省は、著作権および関連権の保護を目的とした通関規則に関する通達第107/2025号「著作権または関連権の保護のための税関規則」を発出しました。本通達は、とりわけ侵害品のミャンマーへの輸入を防止することにより、著作者、芸術家その他の権利者の権利を保護することを目的としています。これを受け、ミャンマー税関局は2025年9月11日から、著作権および関連権に関する税関登録の申請受付を開始しています。 

税関登録

著作権者または関連権者が税関登録を申請する場合、所定の様式に必要事項を記入し、必要な添付書類を提出する必要があります。追加情報の提出が不要であれば、申請が税関局に受理された日から15日以内に、申請を受理した旨を通知します。申請内容に不備がある場合には、税関局は通知の発行日から7日以内に再提出するよう求める通知を発行します。再提出後はその7日以内に申請が受理されたか否かが通知されます。

税関登録の有効期間は受理日から2年間であり、更新の都度2年間の延長が可能です。登録を更新する場合には、有効期間満了日の少なくとも30日前までに更新申請書を提出する必要があります。

また、ミャンマー知的財産局における著作権登録について変更または抹消があった場合は、当該変更等の完了後5日以内に税関局へ届け出る必要があります。

対象外貨物の種類 

以下の貨物は、通達第107/2025号の適用対象から除外されます。 

  • 積替貨物
  • 再積出貨物
  • 保留貨物 
  • 通過貨物
  • 公益上の理由により輸入が承認された物品

差止命令の申立て、再提出要件および保証金について 

ミャンマー税関局において税関登録が行われているか否かに関わらず、ミャンマーに輸入されようとしている著作権または関連権を侵害する疑いのある物品に対して差止命令を申し立てることができます。

税関登録がなされていない場合、申請者は所定の申請書に加え、以下の添付書類を提出する必要があります。

  • ミャンマーへの輸入に関する合法的権利または著作権の所有権を証明する書類
  • 当該輸入品が著作権または関連権を侵害していることを示す証拠書類
  • その他必要な書類

差止命令の申立書はミャンマー語または英語で作成されていれば、税関局への持参、オンライン提出または郵送によって提出可能です。要請がある場合、申請書をミャンマー語または英語に翻訳し、申立者が適式に署名したうえで提出する必要があります。

必要事項がすべて記載された申請については、提出日から30日以内に受理の可否を通知する文書が交付されます。申請に不備がある場合、税関局から通知が行われ、申請者は通知の発行日から15日以内に、必要事項を具備した申請書を再提出しなければなりません。再提出後の申請の取扱いについては、税関局が当該申請の受理または却下のいずれかであるかを示す所定の通知書を、受領日から15日以内に交付します。 

また、税関局は、受理通知日から7日以内に必要な保証金が納付されなかった場合、申請を却下する権限を有します。ミャンマー税関局が発出した告示第1/2025号に基づき、必要な保証金の額は、1000万MMKまたは差止対象貨物の税関評価額の10%とされています。

差止命令

輸入品が著作権または関連権を侵害していることを示す十分な証拠が確認された場合、申請の受理および所定の保証金の納付をもって、差止命令が発令されます。 

たとえ申請が行われていない場合でも、税関局は独自の調査および判断に基づき、当該輸入品が権利を侵害している、または不審な書類が添付されていると判断したときには、一時的に貨物の流通を停止し、差止命令を発することができます。

この場合、権利者は差止通知の日から15日以内に、所定の保証金を納付しなければなりません。保証金の納付が行われない場合、一時差止されていた貨物は、必要な税金を支払ったうえで輸入者に返還されます。ただし、保証金未納による返還であっても返還される貨物には「一般への流通または販売を禁止する」旨の注意書きが添付され、権利者の利益を保護する措置が講じられます。

なお、差止命令の発令に不服のある輸入者は、知的財産裁判所に対して異議申立てを行うことができます。異議申立てをした場合、当該輸入者は、差止通知の日から15日以内に、税関局へ異議申立ての事実を通知する必要があります。

費用負担および保証金の管理

知的財産裁判所が、差止対象の貨物が権利侵害品であると判断する判決を下した場合、輸入者は、その貨物の保管、廃棄および撤去にかかる費用を判決日から30日以内に税関局へ支払う必要があります。 

保証金の返還は、輸入者がこれらの費用をすべて税関局に支払った後にのみ、または税関局がその費用を請求するために提起した民事訴訟において判決が出た後にのみ処理されます。

必要経費を控除したのちに残額がある場合、その残金は申請者(保証金提供者)に返還されます。費用補填に充てられる保証金部分については、前記の訴訟において判決が下った後にのみ、申請者に返還されます。

差止対象の貨物が侵害品でないと判断された場合、申請者は、不正な差止めおよび一時的な差押えによって生じた損害について、輸入者に対して損害賠償を支払う義務を負います。申請者は、当該損害賠償が全額支払済みであることを証明する書類を提出することで、預託した保証金の返還を請求することができます。

結論 

ミャンマーにおける著作権の税関登録制度の導入は、知的財産権の保護を強化し、創造性とイノベーションを重んじる文化の醸成を目指す国家的な取り組みにおいて、極めて重要な節目となるものです。著作権の税関登録、差止命令の発出、保証金の管理に関する明確な手続きを制度として整備することで、法的な確実性が高まり、侵害品の輸入に対する効果的な執行手段が確立されました。

この制度的枠組みは、著作者、芸術家、その他の正当な権利者の利益を保護するだけでなく、国際的な知的財産保護基準に整合する、透明性・説明責任・法令遵守のある貿易環境の形成にも寄与するものです。

総じて、著作権の税関登録制度は、創作物を保護し、グローバルな創造経済の中でミャンマーが知的財産保護の強化に取り組む姿勢を示す重要な仕組みであるといえます。