- 法令
2025年9月末、ラオス官報にて、2025年9月9日付国家主席令第559号/GOV「石油事業に関する国家主席令」が公布されました。本令は、2017年10月27日付の首相令第331号/PM「燃料事業に関する首相令」に代わるものです。
- 本法令の目的
本令は、燃料事業の運営に関する管理および監督のための原則・規制・措置を定め、事業活動が法令に則って行われることを確保することを目的としています。また、国内における燃料供給の安定を図り、燃料分野の効果的な規制管理を実現することにより、国家の社会経済発展への寄与を目指しています。
- 事業の種類と要件
燃料加工工場事業: 燃料加工工場事業とは、半製品状態の燃料を原料として使用し、それを完成品の燃料製品に加工する施設を指します。
この分野で事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります。
- 登録資本金が少なくとも1500億キープ(約10億8600万円)であること
- 持続可能かつ信頼性のある原材料の供給源および販売市場が確保されていること
- 燃料の受入および流通に関する管理・監視・記録のシステムを導入し、透明性、正確性、法令遵守を確保すること
燃料輸出入事業: 燃料輸出入事業とは、燃料を輸入、または国内の燃料加工工場から購入し、国内の燃料流通会社、自社運営の燃料スタンド、代理店運営スタンド、企業またはプロジェクト向け、あるいは再輸出の目的で販売する事業を指します。
この分野において事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります。
- 登録資本金が少なくとも3000億キープ(約21億7200万円)であること
- 燃料貯蔵施設については、最低1000万リットルの容量を有し、公共事業・運輸当局が承認する基準に従って建設されていること。また、その貯蔵容量の少なくとも70%は自社保有でなければならず、残りについては、最低3年間の契約期間を定めた賃貸借契約に基づいていること
- 自社ブランド(商標)を保有していること
- 燃料の輸入および流通量を管理・監視・追跡するためのシステムを設置していること
また、燃料輸出入会社は、各県に1支店の設置が認められます。ただし、本社所在地の県には支店を設置することはできません。各支店は、自ら帳簿を備え付け、親会社に対して要約財務諸表を提出することで報告を行う義務があります。
国内燃料流通事業: 国内燃料流通事業とは、輸出入事業者または国内の燃料加工工場から燃料を購入し、自社運営の燃料スタンド、代理店運営スタンド、企業またはプロジェクト向けに分配・供給する事業を指します。
この分野において事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります。
- 登録資本金が少なくとも500億キープ(約3億6183万円)であること
- 燃料貯蔵施設については、最低100万リットルの容量を有し、公共事業・運輸当局が承認する基準に従って建設されていること。施設は自社保有でも賃借でもよいが、賃借する場合には最低3年の賃貸借契約が必要であること
- 自社ブランド(商標)を保有していること
- 燃料の受入および流通に関する数量を管理・監視・記録するためのシステムを設置していること(各期間について燃料事業管理機関が定めるところによる)
- 燃料輸出入事業者または国内の製油所・燃料加工工場との間で燃料の売買契約を締結していること
また、国内燃料流通会社は、本社所在地を除く各県に1支店を設置することが認められます。各支店は、それぞれ独立した財務記録を保持し、各支店が作成する会計資料に基づく連結ベースの要約財務諸表により、親会社に報告する義務があります。
燃料販売所事業: 燃料販売所事業とは、燃料を消費者に対して直接販売する小売事業を指し、自社運営の販売所および代理店運営の販売所の双方を含みます。
この分野において事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります。
- 登録資本金が、自社運営の場合は少なくとも10億キープ(約724万円)であること。また、代理店運営の販売所の場合、登録資本金が少なくとも3億キープ(約217万円)であること
- 販売所は、関係当局が認可した技術基準に従って建設されていること
- 燃料の受入および販売に関する数量を管理・監視・記録するためのシステムを導入していること(各期間について燃料事業管理機関が定めるところによる)
- 有効な燃料販売代理契約書および燃料輸出入会社または国内燃料流通会社との間の燃料売買契約書を締結していること
燃料貯蔵サービス事業: 燃料貯蔵サービス事業とは、燃料輸出入会社および国内燃料流通会社に対して、燃料貯蔵施設を提供する事業を指します。
この分野において事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります。
- 登録資本金が少なくとも30億キープ(約2171万円)であること
- 少なくとも50万リットルの容量を有する燃料貯蔵施設を自社で所有していること
- 関係当局が発出した技術基準に従い、必要な許認可を取得していること
- 燃料の受入および流通に関するデータを管理・監視・記録するシステムを導入していること
燃料輸送サービス事業: 燃料輸送サービス事業とは、燃料輸出入会社および国内燃料流通会社の委託を受けて、燃料を輸送する事業を指します。
この分野において事業を行う者は、以下の主要な要件を満たす必要があります
- 登録資本金が少なくとも300億キープ(約2億1712万円)であること
- 燃料輸送車両の追跡システムを導入していること
- 審査期間
燃料輸送サービス事業は公共事業運輸省、燃料販売所事業は県または市の工業商業局、それ以外の事業は工業商業省(The Ministry of Industry and Trade)に対して申請を行います。各担当機関は、申請書類一式を受領後10営業日以内に、事業許可証の審査および発行を行います。この期間内に許可証を発行できない場合には、同省はその理由を明記した書面により、申請者に対して説明をしなければなりません。
- 許可証の更新
事業許可証の有効期間は3年間であり、更新することが可能です。許可証の更新を希望する事業者は、許可証の有効期限の30日前までに、各担当機関に対して更新申請を行う必要があります。
ILAW LAO
ラオス人民民主共和国は、2025年施行の新法の下で、石油事業運営に関する規制枠組みの近代化と強化を進めています。これに伴い、ライセンス要件、法令遵守上の義務、投資スキームの構築などについて、国内外の投資家にとって対応がますます複雑になることが見込まれます。ILAW Laoは、戦略的な法務プランニング、ライセンス申請手続、規制遵守、官公庁対応に至るまで、プロセスの各段階でクライアントを総合的に支援いたします。当事務所は、メコン地域における越境型エネルギー・インフラプロジェクトの豊富な経験を活かし、ラオスの石油セクターへの参入・運営を目指す企業が、確信をもって、効率的かつ適切な法令遵守の下で事業を推進できるよう全力で支援いたします。ILAW Laoは、変化し続けるラオスのエネルギー分野において、持続可能で安全な投資のための信頼できるリーガルパートナーです。